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ゆるゆる草をはむ まだらもようの こうし おまえは おぼえているだろうか きのうのことを ゆっくり草をふむ まだらもようの こうし おまえは かんがえるだろうか あしたのことを いやいや こうしは きょうを生きている まぶしいそらに 目をほそめ みどりのかぜに ゆれながら こうしは いまを生きている なんにも しんぱいしないで なんにも しんぱいしないで やさしい目をして 大人は自由でいいな こどもは思う こどもは楽しそうでいいな 大人は思う 犬はのんきでいいな にんげんは思う だけど ほんとうは わたしは わたしでいいな と 思えたら いちばん いいな 大好きな 人がいて くりかえし 雨の 匂いがして 恋でなく 憧憬 と 呼びましょう ままならない まっすぐ あふれないよう こぼれないよう きよく ただしく えらぶ文字 来世では ゆびさきの ふれる 近さで 会うつもり おなじ時間を暮らしながら わたしたちは ながいながい お別れを しているのでしょう ながいながい お別れだから やさしい言葉をかけあって その温もりを確かめあって さよならまでの時間を いとしく いとおしく 過ごしてゆくのでしょう はじめましての 手 命にふれる うれしい握手 つなぐ 手 おいかける 手 だきしめる 手 ひっぱる 手 ひっぱられる 手 つたえる 手 やくそくする 手 さよならの 手 魂にふれる さいごの握手 大切な人の ぬくもりは いつも あたたかで 手のひらが 覚えていて 空の一点 ひらけば 宇宙につながっているという不思議 果てしない 宇宙のかたすみ この 青いほしの この 美しいほしの ちいさな ちいさな 生きものなのだ にんげんは 争うことなく むさぼることなく 絶望することなく もっと謙虚に 美しく生きなくては やわらかな希望を 抱きしめて おーーい と どこからか声がして 振り向けば 5年前の僕が立っていた 何だか まぶしいような 憧れのまなざしで 「だいじょうぶだよ」 僕は 小さな僕に声をかけた おーーい と どこからか声がして 振り向けば 10年後の僕が立っていた どこか 懐かしく嬉しいものを眺めるように 「だいじょうぶだよ」 大きな僕が 僕に声をかけてくれた 僕は これまでもずっと僕で これからも ずっと僕なんだ ちびいぬは あかちゃんだっこが すき おてんばねこは さかさまだっこが すき ねえ、きんぎょ おまえは だっこできないね あかいおひれを ゆらめかせ きんぎょは あわててこたえます きにしてくれて うれしいけれど それは ほんとにこまります わたしはだっこ すきではないの このさびしさの なかで 凛と 立とう 澄みわたる 青のしたで 凛と 立とう 人はひとり だけれど ひとりぼっちではない さらさらと ひかり ふりそそぐ朝 つつましやかに 胸に手をおき ただしさ について考える わたしは、いま 美しいこころで 生きているだろうか わたしの光を 放っているだろうか わたくしを ただしく 光らせるのは わたしだけ 「かあさん」ってよぶと 「あとでね」 「ちょっとまってね」っていう いつも そういうけれど あとでじゃ だめなんだ いまでなきゃ だめなんだ ほら、あそこ にわのきに あおいはねの ことりがきたよ ほら、あそこ もものかたちの まあるい くもがみえるよ みんな みんな かあさんの だいすきなものだよ かあさんが ねつを出した 学校から帰ったら ソファーで寝てた 「おれ、てつだう!」 野菜スープの野菜を切った 米をあらった かあさんが いった ──ありがとう ──だいすきよ なんだか とうさんになったみたい ちょっと いい気分 おこらない かあさん 病気のかあさんも いいなあ 窓辺のヒヤシンスは ゆっくり おひさまを浴びているのに のんびり おひさまを浴びているから のんびり キッチンのヒヤシンスは もりもり おひさまから遠いのに ぐんぐん おひさまから遠いから ぐんぐん ふたつのヒヤシンス それぞれのはやさで、ひらいてゆくよ 白い森の 奥ふかく 冬ごもりしている動物たちを想う 思い惑わず 誰にも会わず しずかに、しずかに 春がくるのを待っている もうすぐ春 もうすぐ春 と 空がおしえてくれるまで 思い惑わず 誰にも会わず しずかに、しずかに ときには人も冬ごもりするといい それはたとえば ちぎれそうな心を守るために ふたたびの力が満ちるように もう大丈夫 もう大丈夫 と 心やわらかに始動するまで 空と 海の あいだには 神様がいる という 彼方 を みつめるのは そのためです 彼方 を みつめた人は やがて、現在 を みつめます にほんの 足と ひとつの 心を 目を 細めることなく とくとく とく 大地の音に耳を澄ませて とくとく とく かたい冬芽が吸いあげる とくとく とく 枝先までみなぎるいのち 春 まだ遠い空の下 冬木立 流れる雲を見つめている とくとく とくとく 空へ空へと立ちのぼる これは希望の音だよ 地球を抱きしめる音だよ うーんと 手をのばせば 空に届くような気がしたけれど ちっぽけな わたしは とても空には さわれない けれども 草も花もあの大木も とても空には さわれない せいたかのっぽの あのビルも とても空には さわれない この世界にあるものは みんなみんな ちっぽけだから うーんと 背伸びして みんな生きているんだよ だいじょうぶだよ。 どれほど 世界が広くても 始まりはいつも あなたの中にある どれほど 遠くを目指しても 始まりはいつも あなたの一歩から 人はそれぞれ 自分の中に 自分だけの始まりを 持っている 春の空から ひらひらと すみれの花が降ってきた あかるく淡い 春の空に すみれ色はよく似合う と 思いながら ずっとずっと 空ばかり見あげていた すみれの花言葉は「誠実」 心に偽りなく まっすぐ 大切な人に ものに 向き合っているだろうか 真実という言葉の中に 在る ほんとうから 目をそらしていないか 春の空はおしえてくれる 立ちどまることを それから 省みることを もう会えない人に 会えるような気がして 見あげる 空 きっと会える人を 待ち焦がれながら 見あげる 空 ──また、いつか その日まで 笑顔で暮らそうと 私が私と やくそく 柿の木にのぼって 夕焼け空を眺めていた 少女の頃 敬虔な気持ちで 暮れゆく空を見つめていた 敬虔という言葉の 意味さえ知らずに 夕暮れのリビングで コトコトと大根を焚きながら 今 敬虔な気持ちで 暮れゆく空を見つめている 敬虔という言葉を 心でなぞるように あのころも いまも わたしは なんにも変わっていなくて わたしはずっと わたしなんだ と 思いながら こんこんと とうめいな水 こころの泉に あふれれば 水を飲むのは あなた 水を飲むのは わたし 水を飲むのは あの小鳥 立ちどまって 空を見あげる 見あげることは 覗きこむこと 心の ずっと深いところ おそらく宇宙とつながっている ほんとうの わたくしを まっすぐに 手をのばせば 願いはまっすぐ 叶います まっすぐに 心をのばせば 想いはまっすぐ 届きます
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by mizuki-100 詩集ブログ 「すみれ色の空から」は 3章に分かれています。 下記のカテゴリーから、 それぞれお好きな詩を お楽しみください。 カテゴリ
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