透明になって






  みずうみは
  すみずみまで あふれる想いで
  空を抱いている

  おなじ光を 感じたくて
  おなじ色に なりたくて
  自分は 透明になって

  みずうみは
  空のすべてが 知りたくて
  まっすぐ空に ひらいている

  晴れの日も 雨の日も
  空のことばを すくえるように
  自分は 透明になって




# by mizuki-100 | 2015-09-02 09:34 | すみれ色の午後

星座







  知らないことは 星の数ほどあって
  知っていることは ほんのわずか

  ほんのわずかに知りえたことを
  ていねいに 謙虚に つないでゆく
  まだ見たことのない
  うつくしい星座をつくるように

  この人生で



# by mizuki-100 | 2015-08-18 09:54 | すみれ色の午後

さくらんぼ





  一緒にいる ただそのことが
  ころころ うれしい さくらんぼ
  手をつないで
  まあるく あまくなってゆく 

  ならんで見上げた空は 
  まぶしかったね
  青かったね 
  きらきらしてたね

  いつか
  この場所を去るときも
  一緒にいた ただそのことが
  つやつや うれしい さくらんぼ


  ──忘れないよ ずっと





# by mizuki-100 | 2015-05-22 07:21 | すみれドロップ(子どもの詩)

おくりもの






  あれは 虹のてっぺん
  あれは 虹のはじまり

  見上げる人は 
  わ わ わ と ゆびさして
  ほおっと 
  うれしい気持ちに包まれます

  あれは 空にかかったリボン
  見上げる人は 
  きれいに包まれたおくりもの

  ほんのり
  ほおっと 
  やさしい気持ちになるのです





# by mizuki-100 | 2015-05-07 09:27 | すみれ色の午後

恋のうた-2




   並んでる
   ふたりの影が
   うれしくて
   やっぱり
   だいすきな人


   痛いのは
   私だけかな
   きらきら
   満ちて
   また逢えたのに


   恋文みたいな
   空いちまい
   ふたりだけ
   知っている
   ほんとう


   誰かの
   ものでない
   あなたに
   逢いたかったよ
   わたしが先に





# by mizuki-100 | 2015-04-05 09:20 | すみれの花冠(てのひら詩)

プライド








  どうにもならないことは
  どうにかしようと
  滑稽なほど
  あがいてこなかったこと


  プライドなんていらない



# by mizuki-100 | 2015-02-08 10:19 | すみれの花冠(てのひら詩)

かいだん







 毎日 耳をすませて
 あなたの足音を聞いているので
 わたしには よくわかります

 今日 あなたが
 はずんでいるか 笑っているか
 泣いていないか すさんでいないか

 それから 
 こころが 前へ歩いているかどうか



# by mizuki-100 | 2014-02-09 16:54 | すみれドロップ(子どもの詩)

コンパス






  ちいさな まるも
  おおきな まるも
  ぼくの ちゅうしんから
  うまれる
  ひろがっていく

  いってん ちからをこめて
  ゆれない つよさで
  どこまでも いくつもの
  ○をかく

  ばつは かかない
  まるだけ かきつづける



# by mizuki-100 | 2014-01-13 10:43 | すみれドロップ(子どもの詩)

すみれ



  花かんむりになったので
  もう お別れです

  さよなら 空
  さよなら 湖

  とくべつな何かになるには
  うれしく 心ぼそく
  ほんのり痛い と
  花かんむりになって
  はじめて気づきました

  さよなら 森
  さよなら 湖

  やさしい記憶を
  すみずみまで編みこんだので
  うんと遠くへ行けそうです

  はずむたび 揺れて
  はずむたび 揺れて
  遠ざかってゆくもの
  すべてが
  ひかってみえます



# by mizuki-100 | 2013-11-10 08:34 | すみれドロップ(子どもの詩)

りんご



   まあるい りんご
   あかい りんご
   りんりん りんご

   まるごとたべると
   おいしいわ

   かあさんが 
   かためをつむって
   おしえてくれた

   ──とくべつね

   ながしのまえで
   たったままたべる
   まるごとかじる

   まあるい りんご
   あまい りんご
   まるごと りんご


# by mizuki-100 | 2013-07-17 08:25 | すみれドロップ(子どもの詩)

アゲハ蝶





  こんなにも美しい模様を
  描いたのは
  かみさまです

  探すことのよろこびと
  追い求めるたのしみと

  臆せず
  きらめくものに手をのばす
  ことの たいせつさを
  わたしたちに
  教えるために



# by mizuki-100 | 2013-07-09 07:53 | すみれドロップ(子どもの詩)

まる



   だれもが みんな
   じぶんのなかに
   まるを ひとつ
   もっている

   さんかく
   しかく
   ながしかく

   まるは ときおり
   ちがうかたちに
   なろうとするが

   さいごはやっぱり
   まるになる

   まる はずむ
   まる ころがる
   まる くっつく
   まる ひかる

   まるは
   まるであることが
   すてきなこと 
   と しっている



# by mizuki-100 | 2013-03-21 18:09 | すみれドロップ(子どもの詩)



  はじめましての 手
  命にふれる うれしい握手

  つなぐ 手
  おいかける 手
  だきしめる 手

  ひっぱる 手
  ひっぱられる 手

  つたえる 手
  やくそくする 手

  さよならの 手
  魂にふれる さいごの握手

  大切な人の ぬくもりは
  いつも あたたかで
  手のひらが 覚えていて



# by mizuki-100 | 2013-02-01 09:19 | すみれ色の午後

はるのこうし



  ゆるゆる草をはむ
  まだらもようの こうし
  おまえは おぼえているだろうか
  きのうのことを

  ゆっくり草をふむ
  まだらもようの こうし
  おまえは かんがえるだろうか
  あしたのことを

  いやいや 
  こうしは きょうを生きている

  まぶしいそらに 目をほそめ
  みどりのかぜに ゆれながら
  こうしは いまを生きている

  なんにも しんぱいしないで
  なんにも しんぱいしないで
  やさしい目をして 


# by mizuki-100 | 2012-02-17 11:37 | すみれドロップ(子どもの詩)

いいな






  大人は自由でいいな
  こどもは思う

  こどもは楽しそうでいいな
  大人は思う

  犬はのんきでいいな
  にんげんは思う

  だけど ほんとうは
  わたしは わたしでいいな
  と 思えたら
  いちばん いいな



# by mizuki-100 | 2010-12-30 12:29 | すみれドロップ(子どもの詩)

恋のうた




   大好きな
   人がいて
   くりかえし
   雨の
   匂いがして


   恋でなく
   憧憬 と
   呼びましょう
   ままならない
   まっすぐ


   あふれないよう
   こぼれないよう
   きよく
   ただしく
   えらぶ文字


   来世では
   ゆびさきの
   ふれる
   近さで
   会うつもり






# by mizuki-100 | 2010-11-30 08:27 | すみれの花冠(てのひら詩)

家族の時間






  おなじ時間を暮らしながら 
  わたしたちは
  ながいながい お別れを 
  しているのでしょう

  ながいながい お別れだから
  やさしい言葉をかけあって
  その温もりを確かめあって

  さよならまでの時間を
  いとしく いとおしく 
  過ごしてゆくのでしょう



# by mizuki-100 | 2010-06-02 07:53 | すみれ色の午後

宇宙のかたすみの




  空の一点
  ひらけば
  宇宙につながっているという不思議

  果てしない 宇宙のかたすみ
  この 青いほしの
  この 美しいほしの
  ちいさな ちいさな
  生きものなのだ にんげんは

  争うことなく
  むさぼることなく
  絶望することなく
  もっと謙虚に 美しく生きなくては

  やわらかな希望を 抱きしめて



# by mizuki-100 | 2010-05-26 08:24 | すみれ色の午後

過去・現在・未来




  おーーい と どこからか声がして
  振り向けば 5年前の僕が立っていた
  何だか まぶしいような 憧れのまなざしで

  「だいじょうぶだよ」
  僕は 小さな僕に声をかけた

  おーーい と どこからか声がして
  振り向けば 10年後の僕が立っていた
  どこか 懐かしく嬉しいものを眺めるように

  「だいじょうぶだよ」
  大きな僕が 僕に声をかけてくれた

  僕は これまでもずっと僕で
  これからも ずっと僕なんだ



# by mizuki-100 | 2010-05-26 08:14 | すみれドロップ(子どもの詩)

だっこ




  ちびいぬは 
  あかちゃんだっこが すき

  おてんばねこは
  さかさまだっこが すき

  ねえ、きんぎょ
  おまえは だっこできないね

  あかいおひれを ゆらめかせ
  きんぎょは あわててこたえます

  きにしてくれて うれしいけれど
  それは ほんとにこまります
  わたしはだっこ すきではないの


  


# by mizuki-100 | 2010-02-04 11:13 | すみれドロップ(子どもの詩)

ものがたり









  複雑な物語を生きている人ほど
  人生は豊か
  それが 悲しみであれ
  それが 喜びであれ



# by mizuki-100 | 2010-02-01 11:37 | すみれの花冠(てのひら詩)

凛と








  このさびしさの なかで
  凛と 立とう
  澄みわたる 青のしたで
  凛と 立とう

  人はひとり
  だけれど
  ひとりぼっちではない




# by mizuki-100 | 2009-05-04 09:49 | すみれの花冠(てのひら詩)

いまでなきゃ



  「かあさん」ってよぶと

  「あとでね」
  「ちょっとまってね」っていう

  いつも そういうけれど
  あとでじゃ だめなんだ
  いまでなきゃ だめなんだ

  ほら、あそこ
  にわのきに
  あおいはねの ことりがきたよ

  ほら、あそこ
  もものかたちの
  まあるい くもがみえるよ

  みんな みんな
  かあさんの だいすきなものだよ




# by mizuki-100 | 2009-02-10 09:42 | すみれドロップ(子どもの詩)



  かあさんが ねつを出した
  学校から帰ったら
  ソファーで寝てた

  「おれ、てつだう!」
  野菜スープの野菜を切った
  米をあらった

  かあさんが いった
  ──ありがとう
  ──だいすきよ
 
  なんだか
  とうさんになったみたい
  ちょっと いい気分
  
  おこらない かあさん
  病気のかあさんも いいなあ
  



# by mizuki-100 | 2009-02-09 17:20 | すみれドロップ(子どもの詩)

目をふせる










  目をふせるのは

  逃げるのではなく
  立ち向かう

  心を ととのえるため



# by mizuki-100 | 2009-01-27 17:42 | すみれの花冠(てのひら詩)

1月のヒヤシンス







  窓辺のヒヤシンスは ゆっくり
  おひさまを浴びているのに のんびり
  おひさまを浴びているから のんびり

  キッチンのヒヤシンスは もりもり
  おひさまから遠いのに ぐんぐん
  おひさまから遠いから ぐんぐん


  ふたつのヒヤシンス
  それぞれのはやさで、ひらいてゆくよ





# by mizuki-100 | 2009-01-27 16:03 | すみれドロップ(子どもの詩)

冬ごもり



  白い森の 奥ふかく
  冬ごもりしている動物たちを想う

  思い惑わず 誰にも会わず
  しずかに、しずかに 
  春がくるのを待っている

  もうすぐ春 もうすぐ春
  と 空がおしえてくれるまで

  思い惑わず 誰にも会わず
  しずかに、しずかに
  ときには人も冬ごもりするといい

  それはたとえば
  ちぎれそうな心を守るために
  ふたたびの力が満ちるように

  もう大丈夫 もう大丈夫
  と 心やわらかに始動するまで



# by mizuki-100 | 2009-01-27 15:50 | すみれ色の午後

彼方



  空と
  海の
  あいだには
  神様がいる
  という

  彼方
  を
  みつめるのは
  そのためです

  彼方
  を
  みつめた人は
  やがて、現在
  を
  みつめます

  にほんの
  足と
  ひとつの
  心を

  目を
  細めることなく



# by mizuki-100 | 2009-01-22 08:17 | すみれ色の午後

冬木立




  とくとく とく
  大地の音に耳を澄ませて

  とくとく とく
  かたい冬芽が吸いあげる

  とくとく とく
  枝先までみなぎるいのち

  春 まだ遠い空の下
  冬木立
  流れる雲を見つめている
 
  とくとく とくとく
  空へ空へと立ちのぼる
  これは希望の音だよ
  地球を抱きしめる音だよ
  
  



# by mizuki-100 | 2009-01-12 14:41 | すみれ色の午後

空には さわれない




  うーんと 手をのばせば
  空に届くような気がしたけれど
  ちっぽけな わたしは
  とても空には さわれない

  けれども 草も花もあの大木も
  とても空には さわれない

  せいたかのっぽの あのビルも
  とても空には さわれない

  この世界にあるものは
  みんなみんな ちっぽけだから
  うーんと 背伸びして
  みんな生きているんだよ


  だいじょうぶだよ。




# by mizuki-100 | 2009-01-05 19:33 | すみれドロップ(子どもの詩)